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2010年3月 2日

バカと暇人のアメーバ vs.炎上メディアJ-CAST

enjyo_jcast

2冊の炎上論が続けて上梓された。「ウェブはバカと暇人のもの」の中川淳一郎さんの3冊目の著書「ウェブを炎上させるイタい人たち」と、J-CASTニュース発行人である蜷川真夫さんの「ネットの炎上力」だ。中川さんは、一貫して「ウェブはバカと暇人のものである」という主張を繰り返し、IT礼賛論に否定的な意見の持ち主である。蜷川さんは全く逆で、ウェブで形成される世論が日本を二分させていると説く。「現代の日本においては、2つの世論が存在している」という主張だ。

中川さんの本は3冊とも読ませてもらっているが、1冊目から進化がないのが残念だ。本書の主張は「素人がmixiで日記を書いたりTwitterでつぶやいたりするのは愚の骨頂。IT信者に騙されるな」に尽きる。短い期間に立て続けに出版されたので無理はないと思うが、1冊目をもっとネットの言論界にオープンにすれば、2冊目、3冊目がより充実した内容になったのではないかと思う。「ネットに無視された」のではなく「誰も気付かなかった」というほうが正しい。中川さんがロスジェネ世代でかわいそうな人だということは伝わってきた。

蜷川さんは、既存のメディアとWebのメディアは全く別物であり、既存のメディアに「寄生」して生き永らえるのがWebメディアの特徴であり、既存のメディアが壊滅したら、ネットに流れる情報はなくなってしまうのではないかという危機感を持っている。だから、本書では自分の出身母体である新聞に、再生の提案を投げかけている。リアルメディアが流す一次情報が、ネット住民のコメントによって付加価値が与えられ、ニュースソースとして再び利用されるという流れは、Webニュースメディアの本流となっていくだろう。

両者とも共通しているのは、匿名掲示板の2ちゃんねるは「マトモ」だということである。マトモじゃない人間たちがクローズアップされるから、2ちゃんねるはとんでもない悪の巣窟だと思われているところがあるが、2ちゃんねるに集積された集合知は、今や誰も無視することができない。非常に影響力のある「メディア」に成長したといえる。ただし、中川さん流に言うと、「ネットはリアルに全く影響を与えない」から、「ネットの中で影響力のあるメディア」と言い直したほうがいいかもしれない。

■関連リンク
ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」 (宝島社新書)
ネットの炎上力 (文春新書)
ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)
おい中川淳一郎。ちょっと待て。何だそのクソサイトは: 切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off man's Blog
創刊のご挨拶 (1/2) : J-CASTニュース
文春が「常識破りの冒険」 ネットで新書「無料公開」 (1/2) : J-CASTモノウォッチ

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2009年12月30日

すごもりに最適! 絶対買って読むべき本ベスト10

books2009

本の読み方は、人それぞれ違うし、印象も違うかもしれない。でも、これらの作品は著者の魂がこもった筆の力を感じられることは間違いない。ネットのせいで本を読まないとかいわれてるけど、本を読まないとダメだと思う。断片的な知識を集積して頭の中で、うまく体系立てられる頭のいい人には必要ないのかもしれないが、文字を追って、しばし頭を休めて、また文字を追うという作業は、脳を活性化してくれる。とくに寝る前の読書をオススメしたい。文字を追って自分の頭の中にイメージが浮かんできたら横になってそのことについて考える。それだけで生きる活力がわいてくるぞ。

ネットビジネスの終わり
人気ブロガー「切込隊長」が株式投資の観点から、ゲーム・IT・マスコミ業界をメッタ斬りにする快著。とくに、マスコミ業界に対する斬り込み方が著者らしさが出ていてよかった。大手マスコミのビジネスモデルは崩壊しかかっているのではなく、とっくに崩壊している。下請けがどれだけ耐えらるかが生き残りの勝負だ。売り上げからコストを引いて利益を出すのがビジネスというものだが、売り上げが逓減する中でコスト(=人件費)は全く減らない。こんなふざけた業界がいつまでも成立しているほうがおかしいのだ。

1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 2
村上春樹のすべてが凝縮された小説といってよい。彼が追いかけてきたテーマをすべて詰め込んだ欲張りな小説だ。最も読み応えがあるのが、主人公である売れない作家が生原稿を再構成して世に送り出すまでの過程だ。彼がどのように物語を紡ぎだしてきたかがよくわかる。技法もさることながら、優れた編集センスを持っていることがわかる。数々の翻訳小説を世に送り出してきた村上春樹らしさが出ている。

竜馬がゆく
坂の上の雲
人々が生きる指針を失ったとき、司馬遼太郎を読むと元気がわく。なぜだろう? 彼の描く生き生きとした若者たち。いま生きている僕らが失ってしまった何かがあるからだろう。「竜馬がゆく」江戸末期の革命期、「坂の上の雲」は革命後の成長期に生きた若者たちを描いた歴史小説だ。行く先の見えなくなった日本にあって、再び司馬の小説を読み直す契機が訪れている。「原点に戻ろう」。天国の司馬さんがそうつぶやいている気がする。

人を動かす
この1冊を読めば、ほかのビジネス書は読む必要はない。すべてのビジネス書の原点がここに詰まっていて、今世に出ている新刊のビジネス書はその焼き直しに過ぎない。暗記するくらい何度も繰り返し読もう。成功の法則は1つしかないのだから。

アイデアのつくり方
優れたアイデアのつくり方はどれ同じ。突飛なことを思いついてるように見える人がいたとしてもベースは必ず過去の作品にある。創造とは模倣の中からしか生まれてこない。先人たちが積み上げてきた過去の遺産を、自分の引き出しに大切にしまい込んでおけるかが勝負だ。

ツイッター 140文字が世界を変える
Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流
2009年はTwitterが大ブレイクした年だった。ブログ→SNSブームを経て、Twitterに人が集まっている。Twitterが日本に上陸したとき、まだ日本はSNS全盛で、一部の理科系人間には熱狂的にしか受け入れられなかった。概念が突飛で、すぐに理解できて使いこなせる人は少なかったため、あまり広まらなかった。140字のつぶやきの積み重ねがネットとの付き合い方を大きく変えようとしている。変化はこれからだ。2010年も注目していこう。

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
本書は、いわゆるビジネス書の類。対象がリンゴというのが新鮮で面白く読めた。結論としては、リンゴでも雑誌でも、なんでも同じということ。成功の法則は、そんなたくさんあるもんじゃなくて、どれも同じだとうこと。夢中になれることがあって、それを継続するだけだ。

借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記
異色ドキュメンタリーとして面白く読める1冊。著者のような体験をできる人は滅多にいないだろうからだ。著者は数多くのビジネス書や翻訳書を上梓しているが、やはりこの本が一番面白い。文章と構成がよく練られており、まるで小説を読んでいるようだ。

ウェブはバカと暇人のもの
よくぞここまでホントのことを書いてくれた。「IT、IT」ともてはやされて金の卵みたいに思われてきたインターネットの化けの皮がはがれた。インターネット時代が来たからって人は幸せになるわけじゃない。ただ単に道具が変わっただけだ。連綿と続いてきた人間の営みは絶対に変わらない。

ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語
赤字続きのドワンゴが動画共有サービスに賭ける意気込みを感じることができる。日本では競争相手がいないから、ビジネスのイメージはどんどんふくらみ、実験的なことが次々にできる。上場はしているが、いまIT企業で「真のベンチャー」と呼べる数少ない企業の1つといえる。

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