血管の柔軟性を調べて生活習慣病予防

脳卒中、心筋梗塞、腎不全などの動脈硬化性疾患をひきおこす原因と考えられる高血圧、脂質異常症、肥満、メタボリックシンドローム、耐糖能異常をはじめとする生活習慣病は、進行していても体に表立った変化も少なくつい見すごしてしまいがちである。発病したときには手遅れとなるような重い病気になってしまうことも往々にしてある。
そんな生活習慣病において、血管に着目しその柔軟性を計ることで動脈硬化を予防・治療しようという診療が東京女子医科大学病院(内分泌疾患総合医療センター、高血圧・内分泌内科)で行われている。血管柔軟性と臓器障害にまつわる以下の7つの検査項目を調べることで予防と治療に役立てようというのである。

●CAVI(血管柔軟性の評価)
手足の血管の柔らかさを数値化して 評価。血圧値によって左右されないため、血管が本来持っている柔軟性を知ることができ、体内の血管年齢を計算することができる。

●DUALSCAN(動脈硬化の予防)
デュアルインピーダンス法で2つの経路から電流を流すことで内臓脂肪と皮下脂肪を識別、内臓脂肪だけを正確に算出することができる。測定方法が簡単で測定時間も5分以内と短い。

●FMD(血管柔軟性の評価)
カフで腕を締めその後の血管拡張を超音波で診る検査方法。正常な内皮細胞はカフを緩めた後に血管拡張物質である一酸化窒素(NO)を放出する。このNOがどれだけ放出されたかで、どれだけ血管が拡張したかを見る。血管拡張が少ない場合は、内皮機能が衰えているということがわかる。

●24時間自由行動下血圧(血管柔軟性の評価)
携帯できる血圧計を24時間装着し血圧を測定。これにより、夜寝ている間の血圧や朝起きてすぐの血圧を知ることができる。最近の研究により、夜間血圧や早朝血圧が脳卒中の起こりやすさを推定したり、血圧の変動が大きいほど血管が硬くなったりすることがわかってきている。

●頸動脈エコー(脳卒中の予防)
頸動脈の先には脳がある。頸動脈の内側に動脈硬化巣ができると、そこから脳の血管に血や脂肪の塊が飛ぶことがある。これは脳梗塞になる危険信号なのだ。頸動脈エコー検査は頸動脈の内側の壁の状態を観察することにより、脳卒中の起こりやすさを推測するのだ。

●中心血圧測定(心臓への負担を知る)
手首の動脈の波形を計測することにより、心臓にかかる負担を計算。現在病気の場合心臓にどれくらい負担をかけているのか、治療によって心臓への負担がどれだけ減ったのかの判定をすることができる。

●尿アルブミン/クレアチニン比(腎臓障害の早期発見)
腎臓に負担がかかると、尿たんぱく よりも先にアルブミンが尿中に出てくる。尿アルブミン/クレアチニン比を 測定することにより、病気による腎臓への負担を早い時期に発見できる。生活習慣病が気になる方は一度行かれてみては。

〈参考文献〉
東京女子医科大学病院(血管を標的とした生活習慣病診療)
photo credit : jan pycke’s

■関連リンク
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