コレステロールがピロリ菌の耐性をあげる


最近の研究によると、コレステロールがピロリ菌の抗生物質や抗菌性のペプチドに対する耐性を上昇させる可能性があることがわかった。ルイジアナ大学のDavid McGee氏によれば、コレステロール吸収の経路を完全に理解することで、ピロリ菌の妨害戦略の研究につながる可能性がある。

ピロリ菌は多くの人の胃に生息する細菌で、胃炎や胃潰瘍など胃に対して悪影響を及ぼすことが知られている。抗生物質による治療法が推奨されているものの、耐性菌の出現が問題になっている。研究ではピロリ菌をコレステロールのある環境とない環境で育て、生育したピロリ菌をさまざまな濃度の抗生物質で処理してどのぐらいのピロリ菌が生き残るか比較した。その結果、コレステロール存在下で育ったピロリ菌は多くの抗生物質や消化薬やペプチドに対して耐性を持つことがわかった。

McGee氏によれば、この研究は、コレステロールがピロリ菌の感染にも関係しているという。「ピロリ菌に感染した患者では血中のコレステロール値が上昇してることがわかった、これはピロリ菌が人体に対してよりコレステロールを生産させるよう誘導してると考えられる。」加えてて、この研究ではスタチンを服用した患者では、慢性胃炎の症状が軽いことがわかった。スタチンにはコレステロールを値を下げる働きがあり、スタチンがコレステロール値を下げピロリ菌の耐性を落としていると推測できる。しかし、スタチンと抗生物質を同時に組み合わせた研究は行っていないため、抗生物質を服用してる患者にスタチンを進めるのは時期尚早だという。

ピロリ菌は胃に悪影響を与えるが、一方で食道を保護しているという意見もある。また、スタチンは日本人の遠藤章氏によって最初に発見されて以降、世界中で高コレステロール症の人の治療薬として使われている。

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