最近特に食べられて減っている動物といえばカメ?!

6月16日に、国際自然保護連合(IUCN)が「レッドリスト」の最新版を発表した。
動物の種類を問わず、新たにリストに追加された種が目立つほか、絶滅危惧IA類(Critically Endangered)に変更された種も少なくない。

そのひとつに、アメリカ合衆国東部に分布しているミューレンバーグイシガメ(英名:bog turtle、学名:Glyptemys muhlenbergii)がいる。ワシントン条約附属書㈼に記載されて20年近くが経過しており、減少の一途をたどっていることは最近判明したことではなかったが、今回の発表は、カメ類全体が直面する難題が浮き彫りになったと考えることもできる。

ミューレンバーグイシガメは淡水性であって、湿原のような環境が潤沢に残されていることを生息と繁殖のために必要とする。生息環境の減少については以前から問題視されていることではあったが、密猟をはじめとした乱獲が横行している危険性も、同様に以前から指摘を受けている。

このカメの場合、特に小型サイズのカメであるため、まずペットとしての需要が考えられるが、特にこのカメだけが減っているわけではない。カメ類全体として、地域を問わずに減少している。環境破壊と乱獲が二大原因とされているが、後者の場合、ペット目的以外に近年クローズアップされている目的がある。食用である。

もっともミューレンバーグイシガメを現地で食用にする習慣があるわけではないが、海外に持ち出されている可能性も否定できない。万一、このような小型のカメ(甲羅の長さは10センチを超えるか超えないかという程度である)まで食用にされているとなれば、すでに中型〜大型で食用にふさわしい種類だけでは需要を満たしきれなくなっているという可能性まで浮上することになり、詳細な調査を行う必要性が高い(調査結果が待たれるところである)。

ミューレンバーグイシガメのような北米産の、まして小型のカメの場合、今はまだ、せいぜいペット目的の密猟が多少目立つ程度……なのが真相だったとしても、
「このまま事態が進むと……種類を問わずカメだというだけで近いうちに海外から食用のターゲットとされるのは時間の問題だろう」
という懸念を抱く人も出てきていることは事実のようだ。

ペットとして愛玩用にするほか、食用や薬用の目的でカメを捕獲・利用する文化は有史以来世界各地で存在したようだ。アジアでは特に有名で、今でもその名残が随所に見られる。人工飼育下で繁殖させるか、数を守っての捕獲であればそれも大きな影響を及ぼさないかもしれないが、近年のカメの食用での需要は急激に顕著になっており、海を越えて大規模に流通していることは紛れもない事実である。

野生動物の捕獲や食糧利用に関しては、文化等の問題もあり闇雲に批判を浴びせることは望ましくないが、手遅れになる前に妥当な解決策が提案・実行されることを願いたい。

<参考文献>
アメリカのモリイシガメ、絶滅危惧種 ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
ミューレンバーグイシガメ – Wikipedia

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