太ると運動嫌いになるわけとは – 米・ペンシルバニア州立大学

Obesity Illustration

たとえば力士など、太っていても、機敏で活発な人たちもいる。だが一方で、一般的に太っている人は、ものぐさで運動嫌いというイメージがつきまとう。これは単なるイメージだけなのだろうか。ヒトの肥満研究のためによく使われるZucker 肥満ラットは、確かに運動嫌いなのだが、5月1日付けで『The Journal of Experimental Biology』に掲載された論文によって、その理由の一端が明らかになった。

米・ペンシルバニア州立大学のRudolf Schilder氏らは、Zucker肥満ラットが太っていないときは、身体につけた重りによって増加した体重に見合ったタイプの筋肉構成タンパク質(トロポニン)を作り出せるのに対し、実際に太って体重が増えた場合は、その調節ができず、依然としてより体重の軽い、痩せていたときのトロポニンタンパク質しか作り出せなくなっていることを発見した。体重が増えても、それに見合った筋肉が作られないから力が出ない。これが、Zucker肥満ラットが運動嫌いである理由なのではないかと、Schilder氏らは述べている。

確かにこの結果は、まだラットでの研究段階であるが、このラットはヒトの肥満研究にも使われるほど、その肥満症状がヒトと似ている。そう考えるとヒトの肥満でも同様のことが起こっている可能性は高い。もしこれが本当なら、太ると動くのが億劫になり、それがさらなる肥満を呼ぶという悪循環に陥るばかりでなく、それでも無理して運動すると、すでに筋肉がその負荷に追いついていけなくなっているため、けがもしやすいという危険性もある。太るということが、単に体重が増えるだけのことではないというのは、ちょっと厄介なことのようだ。

(神無 久)

Creative Commons License photo credit: Combined Media

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