甲状腺がんの原因が放射線被曝によるものかDNAを通じて検査できる可能性についての研究者の見解

Tuesday in a face down sort of way

ドイツ・HZM研究センターのホルスト・ジゼルスベルガー教授とインペリアル・カレッジ・ロンドンのクリスチャン・ウンガー博士らのグループは、チェルノブイリ原子炉爆発による放射性ヨウ素降下物に被曝した子どもの甲状腺がんの研究を通じ、放射線被ばくした子どもに特有の「遺伝子指紋」ができている可能性を示す研究成果を発表した

この論文に関して、(社)SMCを通じて、がん研有明病院頭頸科の杉谷巌 副部長は興味深い研究だとした上で、治療のリスク解明に寄与するであろうという内容の次のような見解を示した。

これはまだ正式の論文ではなく、研究の具体的な詳細がわかりませんが、興味深い話です。また、今回の福島の事故と結びつけて考えるより、むしろ、放射線をつかったがん治療後の「二次発がん」の病因研究に貢献する研究ではないでしょうか。

 舌がんや喉頭がんでは、治療に放射線照射を行うことがあります。比較的若い方の治療で、もとのがんが治って20年、30年後に、新しくがんができた場合、これが放射線治療の影響によるものか、それとも他の要因での発がんしたのか、この研究が進むことで見分けられるようになるかもしれません。

 また小児の甲状腺がんでは、肺転移がある場合など、手術の後に追加治療として放射性ヨウ素を大量に投与することがあります。疫学的には、この治療による二次発がんのリスクはほとんどないということになっていますが、放射線を原因とする発がんの証拠が染色体上に検出できるようになれば、こういった治療のリスクが明らかになるでしょう。

また、豪州ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT University)医学部医学放射線研究科のプラディップ・デブ博士は次のように、発がんと放射線との相関関係が無いという見解を示した。

「遺伝子マーカーは数多く存在しますが、まだまだ研究途上です。
 科学者たちは実験が終わっても、その結果が確実だと言えるまで待つ必要があります。
チェルノブイリ事故は1986年に起こりましたが、現在でも、チェルノブイリ事故の被爆者とがん患者の研究が続いています。被爆と発がんは,
直線的な相関関係にはなっていません。」

Creative Commons License photo credit: TheeErin

■関連リンク
WHOが携帯電話とがんの関連性を指摘 | スゴモリ
ブロッコリーがガンの予防に効くわけとは? | スゴモリ
ガンの副作用の痛みを減らす技術を開発-NASA | スゴモリ
ナノダイヤが有効ながん治療になるかもしれない-ノースウェスタン大学 | スゴモリ
ビタミンDは癌のリスクを下げる-カリフォルニア大学ら | スゴモリ

Bookmark and Share

関連プロダクトクラウド