人工葉の改良 – マサチューセッツ工科大学

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安価で簡単な人工葉の夢を実現するための重要なステップがMITの2つのチームによって達成された

この人工葉とは水分子を水素と酸素に分割して太陽エネルギーを利用する装置で、今年4月に安価な材料で生成されたことで話題になった。MITの2つのチームはEnergy & Environment Science(E&ES)誌とProceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)誌にそれぞれ5/12と6/6に研究報告を投稿した。

シリコンの太陽電池と触媒の技術を統合させることは簡単なことではないとPNASの論文の共著者であるTonio Buonassisi氏は説明する。それは触媒によって分解された水分子がシリコンの表面に働きかけ、発電効率を急激に下げてしまうからだという。E&ES誌に投稿したBulović教授のチームは、コバルトとリン酸緩衝液を利用してシリコン表面をコバルトのシートで覆い保護する方法をとりこの問題を解決した。

一方PNAS誌に投稿したBuonassisi氏のチームはシリコン表面にインジウム錫酸化物の膜を置く方法でこの問題アプローチした。Nocera教授の究極的な目標はこの装置が低コストで開発され、電気の供給が不安定なところで使われることだ。この目標を達成するには、この装置の電圧を上げることに加えて、シリコン電池にもうひとつの触媒を追加することが必要だとNocera氏は言う。

2つのチームは触媒をつけたシリコン電池の効率を維持することに成功したが、それは短期の実験であって、長期にわたった実験は行われていない。

この装置を完全に使用可能なものにするためには、最終的な生成物を統合することだとNocera氏は説明する。「現段階の装置では、水素原子は簡単にプロトン化(H+)してしまう。今後の研究対象だが、もし触媒が水素原子をH2の形で生成することができれば、電気を生成することもできるし、乗り物の燃料をつくることもできる。」

この論文によって地球に豊富な低コストの物質がこの発電装置に使えることが示されたことで、この研究はより進歩するとみられている。「まだこのシステムは研究の段階だが、3年以内にこの人工葉は現実のものになるだろう」とNocera氏は期待している。

この装置が完成した暁には発展途上国の電力事情は大きく改善されるだろう、この装置がちゃんと低価格で売られればだが。

(櫻井博光)
Creative Commons License photo credit: linh.ngân

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