福島第1原発事故・山菜、きのこ狩りには注意!

春まっさかり。山菜狩りを楽しむ人も多い時期だし、きのこでは、アミガサタケ・ハルシメジなどもそろそろ生え始める時期である。しかし、山菜、きのこ狩りは放射能によって汚染されている地域では危険であると、福島県で2011年4月に、実際に土壌や水の調査を行った、「京都から東日本大地震被災者を支援する会」の滝澤寛氏は述べる。

どうして山菜やきのこが危険といえるか。それは土が放射性物質に汚染されやすく、そこから生える植物・菌類が放射能の影響を受けやすいからである。事実、清滝氏らが土壌を調査したところ、コンクリートなどで覆われているところより、土がむき出しになっているところの方が放射線量は高かった。道路の街路樹の下の土のところと、すぐそばの舗装されたところを測定すると、明らかに前者の方が高い放射線量を示したのである。

さらにきのこは、地上のきのこ(子実体)だけに注目が集まりやすいが、実は地中に菌糸を広く延ばしている。そこから放射性物質を取り込む可能性が高い。今の季節で言えば、アミガサタケにはセシウムを特異的に濃縮する性質がある。放射性セシウムが土を汚染していると、そのアミガサタケは、放射性セシウムを濃縮した、少量でも非常に危険な食べ物になってしまう。とりわけ、今回の事故の影響を受けている、東北・北関東では、昔から、山菜や野生のきのこを食べる習慣が根強くあり、岩手県では、自分が採取して、家でゆでた山菜やきのこを持ち込めば、缶詰にしてくれる業者さえあるくらいだ。

問題なのは、どこの山が危険で、どこの山が安全か分からないということだ。放射性物質の汚染は、単純に距離だけでなく、風向きなどに影響を受けやすい。しかも、そういった方面からの調査がまったくなされていないのが実状である。今の状況では、福島県では山菜・きのこ狩りはやめるべきだ、と言いきってもいいくらいである。周辺の地域で、どうしても山菜やきのこが食べたい場合、公が調査するのがベストではあるが、それが期待できない現状では、調査用の器械(普通の土壌用のガイガーカウンターは役に立たない)を何らかの形で入手して、調査した上で安全、と分かったものしか食べるのは避けるべきだろう。

山菜、きのこ狩りを好む、年輩の方など、ネット環境にない方にも、この話を広めていただければ幸いである。この危険は、短い期間ではなく、少なくとも何年かは注意を払う必要がある。これは、東北や北関東の食文化の破壊といえるし、同時に山での楽しみさえ奪われる、大きな問題だといえよう。

(堀博美/きのこライター 主著「きのこる キノコLOVE111」(山と渓谷社))

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