妊娠中のダイエットで子供が肥満に – 英・サウスハンプトン大学

子供を肥満にしたくなければ、妊娠中のダイエットは控えたほうがよさそうだ。一見逆のように聞こえるが、妊娠中に飢餓状態におかれた胎児は、出生後に脂肪をより効率的に貯め込めるよう体質が変化するらしい。
英・サウスハンプトン大学の研究チームが、4月6日付で学術誌『diabetes』のオンライン版に発表した論文によると、彼らは、出生時にへその緒から抽出した赤ん坊のDNAを調べ、ある特定の遺伝子にメチル化と呼ばれる化学修飾を多くもつ赤ん坊ほど、小学生くらいになったときに肥満になる率が高いことを発見した。そして何と、妊娠初期に炭水化物をしっかり摂らなかった母親ほど、赤ん坊のこの遺伝子のメチル化が促進されていたのだそうだ。
このある特定の遺伝子というのは、RXRA遺伝子と呼ばれ、RXRα(レチノイドX受容体アルファ)タンパク質をコードする。このタンパク質は、ビタミンAの一種であるレチノイン酸の受容体を構成し、脂質代謝を含め、様々な生理機能に関与することが知られている。
妊娠中に母親がダイエットすると、それを栄養不足のサインと感じ取った胎児は、RXRA遺伝子をメチル化することによって、脂肪を効率的に蓄えられるよう脂質代謝を変化させ、出生後に備えるのだと考えられる。しかし、実際には、出生後十分な栄養が与えられるため、太ってしまうというわけだ。
今回の結果は、妊娠中の母体が受ける環境変化が胎児に対し、出生後もその将来にわたって影響を及ぼしうる変化をもたらす可能性を指摘しており、母親にとっては責任重大と言えそうだ。
(神無 久:サイエンスあれこれ)
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