神経系特有のNG2-glia細胞は神経の幹細胞となるのか?

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンThe Wolfson Institute for Biomedical Researchとタスマニア大学の研究者達がNG2-gliaが神経系で幹細胞の役割を果たせる可能性を指摘した。

NG2-gliaはサイクリンググリア前駆体とも呼ばれ、成熟した中枢神経系と発生中のものに豊富に存在する。発生中、NG2-gliaはオリゴデンドロサイトを生み出す(オリゴデンドロサイトは中枢神経系で軸索に巻きつく細胞で、伝導速度をあげるグリア細胞の一種)。NG2-gliaは培養することでいくつかのグリア細胞を生み出すことができる状態に戻すことができ、これはこの細胞が神経の幹細胞となり、アルツハイマーやパーキンソン病などの神経変性疾患を治療するのに役立つ可能性があることを意味すると彼らは主張する。NG2-gliaは、中枢神経系だけでなく、シュワン細胞やアストロサイトに分化できるが、これまでのところ神経細胞には分化できていない。(アストロサイト、シュワン細胞はグリア細胞の一種で、アストロサイトはオリゴデンドロサイトと同じ中枢神経系だが、シュワン細胞は末梢神経系に存在する)

しかしNG2-gliaは、負傷に対して素早く反応することが知られていて、NG2-gliaが全身の変化に反応できる可能性もある。今後はどのような環境の影響をうけるかが焦点になるという。

再生医学でも神経系は臨床的な応用が難しく、さまざまな再生方法が研究されている。NG2-gliaを利用した方法は効果的な再生方法となるのだろうか。

(櫻井博光)

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  • Ray

    「NG2-gliaは培養することでいくつかのグリア細胞を生み出すことができる」の中の「グリア細胞」は「神経細胞」の誤植ではないですか?

  • Ray

    「NG2-gliaは培養することでいくつかのグリア細胞を生み出すことができる」の中の「グリア細胞」は「神経細胞」の誤植ではないですか?

    • http://www.facebook.com/people/Hiromitsu-Sakurai/100001577144351 Hiromitsu Sakurai

      コメントありがとうございます。
      そこの原文は”In culture, they can revert to a multipotent state”となっていて、『培養中、NG2-gliaは多分化能をもつ状態に戻すことができる』という意味でしたが、そこを『NG2-gliaは培養することでいくつかのグリア細胞を生み出すことができる』と解釈しました。今のところNG2-gliaは神経細胞に分化出来ていないということなので、神経細胞ではなくグリア細胞だと思います。