福島第1原発事故・放射能汚染された野菜畑はどうすればよいか?

Free Red Apple on Green Grass of Fertility

これから、野菜畑は種まきのシーズンを迎える時期だ。しかし、今回の福島第1原発事故で、東北地方・関東地方の多くの農地では、葉もの野菜を中心に摂取や出荷を停止されたケースがある。

その畑で再度栽培を行なう前に、筑波大学元教授・植物遺伝育種学、生井兵治氏の緊急提言を知っていただきたい。

氏によると、今作付けされているホウレンソウなどを、基準値を上回り出荷停止になった、または基準値は下回ったが風評被害で売れない等の理由で、出荷できなくなったからといって、トラクターで畑を鋤き込むことは危険だという。その理由は、畑に降ってきた放射性物質は、水に溶けて吸収され作物の根・茎・葉と地上部の表面に集中している。また、畑地の土壌の表面にも放射性のチリが集中している。これを鋤き込んでしまうと、畑の土壌全体に放射能汚染を広げてしまい、除去が困難になってしまう。さらには、作業の際に上がるほこりには同濃度の放射能が含まれるため、農家の人の身体に取り込まれて内部被曝を引き起こす危険があるというのだ。

それでは、どうしたらよいか。氏によると、畑の作物は、いましばらくそのままにする。ホウレンソウなどが身体を広げて土壌の放射能汚染を防いでくれているのが、今の状況だ。そして、土壌に吸収された放射能は、土壌水分と一緒に野菜たちに吸収される。だから、野菜が開花・結実するまで育てて置き、その後で完全な防御装備を纏ったしかるべき人たちにこれらの植物を収穫してもらい、放射性産業廃棄物として処理してもらうことが、最善であるという。

また、群馬県に住む、家庭菜園を持っている知人に聞くと、今特に植えているものがないので、土の表面がそのまま汚染されている可能性が高いことを心配していた。これについては、畑を耕したりせず、放射能物質の飛散が終わるのをそのまま待って、土の表面10センチほどを除去するのがいいと指導されたという。

生井氏によると、汚染された畑の修復方法として、セイヨウナタネなどのアブラナ科植物を植えることも有効だという。諸種の土壌汚染を植物で修復する、ファイトレメディエーションは、学問的にも技術的にも進んでいえる。最後に、当面の緊急措置に関する、生井氏の提案をそのまま掲載したい。

1.今後のことを考えると、出荷できない畑の「鋤込み」はしない。
2.土壌汚染が続くので、土壌の表面の作物をそのままにして作物で土壌を守った方が土壌汚染は少なくなる(土壌に浸透した放射能は、植物に吸収される)。また、表土は動かさない方がよい。
3.いったん土壌が放射能汚染されると、放射性ヨウ素は短いが、セシウム137は半減するのに30年、ほぼなくなるまでには300年かかる。
4.放射能拡散汚染がやんだ時点で、作物だけを特別な方法で汚染物質として処理する。
5.場合によっては、今後、放射性物質を吸収しやすい作物を播種して青刈りするなど、専門家の助言に従った措置を講じて、「表面の作物で土壌を汚染から守る」という防護策をすすめることがいちばん良い。

(堀博美/フリーライター http://spore.sblo.jp/)
Creative Commons License photo credit: epSos.de

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シイタケからも規制値を上回る放射性物質検出 – 福島県いわき市 | スゴモリ
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