紙袋にしますか、ビニール袋にしますか、それとも鉄袋?

James, I think your cover's blown!

“Paper or plastic?”というのは、多くの日本人が初めてアメリカのスーパーで買い物をした際に受ける洗礼のような言葉で、「紙袋にしますか、ビニール袋にしますか?」という意味なのだが、そう理解できた頃には、自分の後ろに長蛇の列ができていたりする。でもこれからアメリカに行こうという人は、こちらを覚えておいた方がいいかもしれない。”Paper, plastic, or steel?” そう、鉄製の袋がそこに加わるかもしれないのだ。

そもそもの発想は、硬い材質で、紙袋のように平らに折りたためる構造の箱を作れないかというところから始まった。なぜそんなものが必要なのかって?その理由は、多くの人が、引越しの際に、経験することと関係がある。かなりの時間をダンボールの底を作るだけに費やしてはいないだろうか。底を作らなくてもいい、そんな便利なダンボール箱ができれば、個人の引越しはもとより、梱包業界にも大革命をもたらすと期待されているのだ。

実は2004年には、その折り目の論理的なデザインが、マサチューセッツ工科大学のErik Demaine氏によって報告されていたのだが、それを実現するには非常に薄い材質が必要だった。硬くて薄いというのは、なかなか両立させるのが難しい条件なのだ。しかし、今回、英・オックスフォード大学のZhong You氏とWeina Wu氏は、通常の紙袋に使われている折り目を改良し、鉄製の紙袋ならぬ、「鉄袋」を作ってしまった。

この成果は、『Proceedings of the Royal Society A』の3月31日付けオンライン速報版に掲載されている。You氏とWu氏らには、様々な高さと幅をもつ「鉄袋」の製作が可能かどうか、期待が寄せられているという。将来的には、丸ごとひとつの建物を、これで作ってしまおうという話もあるらしい。その最初の一歩となるのがこの「鉄袋」なのだ。ただ、彼らもこの「鉄袋」をショッピングバッグとして普及させようとは思っていないだろう。それには、鉄はあまりに重すぎるのだから。

(神無 久:サイエンスあれこれ
Creative Commons License photo credit: laverrue
■関連リンク
Paper, Plastic, or Steel? – ScienceNOW
タコは手足を見るか?-イスラエル・ヘブライ大学 | スゴモリ
中国の奇病~致死性ウイルス特定される | スゴモリ
ブロッコリーがガンの予防に効くわけとは? | スゴモリ
人間を味方につける-カナダ・カルガリー大 | スゴモリ

Bookmark and Share

関連プロダクトクラウド