タイタンにも春がやってきた!


震災の傷跡も未だ生々しい日本にもそろそろ春がやってくるように、土星の衛星タイタンにも約15年ぶりの春がやってきたようだ。タイタンの発見者クリスティアーン・ホイヘンスにちなんで名づけられたホイヘンス探査機が、タイタンに着陸したのが2005年、今から6年前のことだ。当時タイタンの南半球には秋の気配が訪れようとしていた。

ホイヘンスは、タイタンへの突入から着陸、機能停止に至るまでの3時間40分、上空から見える、メタンの雨に浸食されたタイタンの、ありとあらゆる地形や地表の様子を、上空で待機するカッシーニ探査機を経由し、地球に送り続けた。しかし、肝心のメタンの雲も、メタンの雨も実際に経験することは叶わなかった。その1年前のタイタンの夏の終わりにしばしば観察されていた、タイタンの最下層の大気を構成するメタンの雲がピタリと見えなくなったのがちょうどその頃だったからだ。

あれから6年、役目を終えてタイタンの大地に静かに眠るホイヘンスは、かつて叶わなかったタイタンの大地に降り注ぐメタンの雨を、今思う存分享受しているに違いない。タイタンの春の訪れと同時に、メタンの雲も、そして恐らくメタンの雨も戻ってきたからだ(写真)。雲が通り過ぎた後に広がる、光の反射率の低い黒い大地は、メタンの雨によってできた巨大な水たまりか、湿った大地だろうとのことだ。

タイタン上空を覆う分厚い大気の壁も透過する938nm(ナノメートル)の光だけを通す近赤外フィルターや619nmの可視光フィルターなどを通して撮影された3枚の画像を合成して作られたこの写真は、直径5,150km(地球のほぼ半分)のタイタン上空250万kmに待機するカッシーニ探査機によって撮影されたものである。詳細は、『Science』3月18日号に掲載されている。

(神無 久:サイエンスあれこれ
Photo:NASA

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