筑波大学周辺という地域密着の災害情報共有を実現 – SHARE THE TSUKUBA 日比野さん


日比野さんに答えてもらった。日比野さんのプロフィールは記事下部。

思い立ってから創り上げるまで

「Twitterの速報性と地域性を活かして、筑波大学近辺の情報をまとめ、共有できる場所があれば便利だと考えました。」地震発生後から友人と一緒に過ごし、互いに情報を共有していたという日比野さん。そのなかで、Twitterが災害情報で有力な情報源になっていることに気がついたという。

「”今なら、あのお店やってるよ”、”あの地区は断水してるみたい” こうした情報の共有を目にして、少しでも役に立てることが出来ればと考えたんです。」
そう思い立った12日の夕方から急ピッチで作業を行い、その数時間後の21時には公開に漕ぎ着けたという。彼もまた「SAVE IBARAKI」の人達と同じように凄い行動力を持っていた。1人で素早くやり遂げたスピード感も評価できる。

なお「SHARE THE TSUKUBA」の”THE”が入る理由としては、筑波大学が掲げるスローガン「IMAGINE THE FUTURE」を意識し、馴染みやすさを考えたという。

大学周辺を中心に大きな反響

反響について日比野さんは次のように語る。
「私のTwitterアカウントで「SHARE THE TSUKUBA」をつぶやいた瞬間、友人・知人、つくば市在住の方がリツイートしてくださり、徐々に広まっていきました。その後、予想していた以上にサイトの公開は広がりを見せ、ブログで紹介してくださったり、クラスのメーリングリストで流していただいたりと反響がありました。」

公開後から約4日後の17日現在、累計で2万件のアクセスがあったという。サイトが1ページという事を考えると、かなりの数だ。

この反響の裏には、つくばで地震発生直後から断水と食糧不足に陥り利用出来る近場のトイレや食料の残っているお店の情報が求められていたことがひとつの理由として挙げられる。SHARE THE TSUKUBAは”筑波大学周辺”と地域を限定したことで、より地域に密着した、自分に関係のあるノイズの少ない情報を拾い上げる事に成功している。この情報を欲張り過ぎないコンセプトが、質の良い情報共有へと利用者を導いた。

ありがとうの言葉で元気になれる

今、どういう気持なのか聞いてみたところ
「Twitterによって情報に錯誤が生まれるのではないかと心配でしたが、情報を共有できる場として広がっていったことに嬉しさを感じています。”ありがとう!”という言葉をいただく度に、元気をもらっています。」と、SHARE THE TSUKUBAが利用されていることを純粋に喜ぶ大学生らしい一面を覗かせる。

同時に、”いち”ウェブデザイナーとして、次のようにも話す。
「各地域の地震情報やライフライン状況を迅速に伝える手段としてTwitterをまとめるためにデザインに配慮しました。」

全体として落ち着きのあるデザインで、地域ごとに1ページでコンパクトに整理されている。つくばの店舗にある食料の在庫状況を共有するハッシュタグ#tsukuba_shopを用意したことで、最も必要な食料の情報共有が迅速に行える点は特に素晴らしい。

今後は自分のためのものづくりから、人のためのものづくりを

今後のサイトの方向性を聞いてみたところ、
「予想以上に反響が大きいため、継続して運営しようと考えています。被災者の方の役に立つことができる場として提供できればなによりです。僕も積極的に情報提供していきたい。」と、今後も引き続きサイト運営を続ける意欲を見せつつ、他の人と同じ目線でコミュニティを活性化し、いち早い日常生活への復帰を目指す構えだ。

また、今回のサイト設立を経験してものづくりの考え方も形を変えたと次のように話す。
「私は、幼少のころから何かをつくることが好きで、様々なものづくりを行ってきました。今までつくったモノのほとんどは自分以外の誰にも利用されることなく自己満足で完結していました。今回のサイト設立を経験して、今後も継続してものづくりに携わり、創る人という立場でありたいと思うと同時に、”自分のためのものづくりから、人のためのものづくり”を行いたいと思うようになりました。」

自分たちに出来ることを実行し、困難を乗り超える

最後に、被災者に向けて次のように語った。
「今なお、辛く厳しい状況にあります被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。この未曾有の災害を乗り越えるために、協力し、今を生きることに専念していただけたらと思います。今この瞬間にを生かされている私にできることを考え、実行していく次第です。本当に不安な日々が続くと思いますが、被害がこれ以上拡大しないことをお祈り申し上げます。」

作ったものが誰かの役に立てば嬉しい、誰かの役に立ちたい。この想いが彼を突き動かす原動力になったことは確かだ。そして生まれた、「SHARE THE TSUKUBA」は密接につながったコミュニティにとって、情報共有の命綱として機能した。

まだ1年生である日比野さんは今後、筑波大学情報学部の学科であるメディア創成学類で勉強を続け、技術的な方法として”人のためのものづくり”を提案する選択肢を増やしていこうと考えているという。

SHARE THE TSUKUBA 制作メンバー

日比野 洋允 ヒビノ ヨウスケ (18)
筑波大学1年情報学群情報メディア創成学類

インタビュー:スゴモリ編集部

SAVE IBARAKIのインタビュー記事はこちら

■関連リンク
溢れかえる災害情報をうまくハンドリングし、デザインする2つのケーススタデ – 「SAVE IBARAKI」と「SAVE IBARAKI | スゴモリ
SHARE THE TSUKUBA|筑波大学近辺の地震情報を共有するサイト
・日比野さんのHP:binoske.com
・日比野さんのTwitter:binoske (binoske) on Twitter

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