ウーパールーパーを唐揚げにして食す!

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ウーパールーパーを食べる?80年代、愛らしい容姿で一世を風靡した両生類である。そのウーパールーパーを富山の養殖業者が食用として販売を開始したとテレビのニュースで見た。あれを食うの? マジ? ……それでうまいの? 一食は百見に如かず? そういうわけで食べてみたのだ。

これを食うの? ヤバイんじゃないの、倫理的に?

ペットにするのもわかる。ウーパールーパー(正式名ではなく、日本人コピーライターの造語。Wikipediaには商標だとあった。英語ではアホロートル)は山椒魚の一種だ。しかし体が白く黒い目のリューシスティックと呼ばれる個体は、一般の山椒魚とは見目がまるで違う。真っ白な柔らかい体に小さな手足、笑っているような顔にゴマ粒のような目。赤ん坊に通じる可愛さだ。それも人間の赤ん坊。人間は羊水の中で魚から爬虫類、哺乳類へと進化をなぞるそうだが、その途中で間違って生まれたかのような、ダイレクトに感情に訴える愛らしさである。クジラを食うな、イルカを殺すなというエコの人の気持ち、まったく愚かなと笑い飛ばしていたが、この湧き上がる感情、バカにはできない。

「これの頭を落としちゃうんですか?」
非難するように新・助手くん。以前の助手くんは中華街へ甘栗を売りに行ったため、新しい助手くんの初仕事がウーパールーパーの試食。災難である。

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魚そっくりの味なのだが……これをさばくには度胸が必要

日本生物教材研究センターに電話して食べ方を聞くと、頭を切って内臓を取って唐揚げ、ということだった。かの食通の魯山人は(『魯山人の料理天国』)と山椒魚を評し、原産地のメキシコではシチューの具にする。ペット需要が急減する中、それならばと食用へ転用したという同社。現在、中国への輸出を検討中だそうだ。……犬のブリーダーが売れ残った犬を韓国に輸出とか、そういう感じ? かなり大胆だな。

まな板の上に載せる。包丁片手に押さえつけようとするが、暴れる、暴れる! 失神させようと包丁の背でゴンと頭を叩いたら、取れてしまった。ホラーだな。手足がまずいな、手足が。手足がなけりゃ魚にしか見えないのだが、指もきちんとあるし、肌色だし。

頭を取ってしまうと食べるところはいくらもない。唐揚げにすると……これは魚?
「魚ですね」
そうだよな、魚だよ、ミギスとかカマスが近い。カエルはほとんど鶏肉だから、そういう味だと思ったけど魚か。尾っぽが付いてるけど、見目通りに肉質も魚に近いのか。
「わざわざ食べなくてもいいですよね、これ」
まあねえ。食べるところも少しだけだしね。
その後、編集部で飲みに行ったが、出てきた唐揚げを食べられなかったという新・助手くんなのだ。

手順

01 生きた状態で届くウーパールーパー。とりあえず水洗い。
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02 まな板の上のウーパールーパー。体はぬるぬるしている。
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03 包丁を入れるところは正視に堪えないので割愛。唐揚げにする。
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04 生きた個体と別に、干物とふりかけがおまけで付いてきた。
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05 ふりかけはただの小魚ふりかけ、干物は生臭くて食べられなかった。ウーパールーパーはたしかに食べられるが、あえて食べなくていいというのが正直な印象である。
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赤ん坊のままで大人に? 不思議なネオテニー

ウーパールーパーはカエルになる直前のオタマジャクシにそっくりだ。ウーパールーパーは水を減らすなど生育状態を陸上向けに変えるとエラがなくなり、尻尾が短く、普通のサンショウウオになるのだそうだ。水中生活を維持するために変態を止めているらしい。子どもの体のまま、成熟する生態はネオテニー(幼形成熟)と呼ばれる。無毛状態で一生を送る人間も一種のネオテニー。ウーパールーパーが人の赤ん坊に似て見えるのも、意外と近い部分があるからかもしれない。

(サイエンスライター 川口友 万)TBS系『飛び出せ!科学くん』でも紹介、さらに詳しい実験の様子は『あぶない科学実験』(彩図 社・税別1,200円)

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