きのこと原発事故

мухоморрр!

このたびの東北関東大震災地震により被害を受けられました皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。皆さまの安全と一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。

今回は、このたびの、東京電力福島第一原子力発電所の事故と関連して、食材としてのきのこの「安全」について書いてみたい。

2011年3月20日、茨城、栃木、群馬各県の一部地域産のホウレンソウと、福島県4市町村産の牛乳から、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性ヨウ素や放射性セシウムが検出されたことが明らかになった。栃木県と群馬県は、JAに対して出荷自粛を要請しているが、規制値を上回る食品を食べても直ちに健康に影響を与えるものではないとしている。

きのこの場合、もし放射能を浴びたらどうなるか。例えばベニテングタケは、アマバジンという物質の働きで、バナジウムを特異的に濃縮、蓄積することが知られているが、それと同様に、きのこには放射性物質が濃縮して蓄積される場合がある。
チェルノブイリの原発事故では、セシウムー137という放射性セシウムが大量に放出されたが、これによって汚染された地域で生えた野生きのこ、アンズタケなどを調査すると、セシウムー137が特異的に濃縮されていたことが分かった。なお、セシウムー137の半減期は30年である。

もちろん、今回の事故と、チェルノブイリの事故とでは事故の規模や炉の種類など、大きく異なる点があるので、単純に比較することは、風評被害につながるので避けたい。ただ、野菜などに比べて、きのこの調査はとかく後手にまわりがちであるが、きのこも十分に警戒すべきな食材であることを指摘しておきたい。事態が収束した後、きのこ、特に食用に採取される可能性の高い栽培きのこや野生きのこはサンプルを集めて、放射性物質の蓄積量を、科学的に調査すべきであろう。

東北や北関東はきのこ狩りが盛んな土地です。秋には、きのこの安全性が科学的に保証された状態で、きのこ狩りが楽しめるまでに復興していることを、心より祈っています。

(堀博美/きのこライター 「きのこる キノコLOVE111」(山と渓谷社)執筆
 http://spore.sblo.jp/)
Creative Commons License photo credit: E.Kopyszew

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