内臓のガンと戦う特殊なサルモネラ菌-ミネソタ大学


ミネソタ大学の研究者達が、がんと戦うサルモネラ菌を開発しました。

サルモネラ菌は食中毒で有名ですが、ミネソタ大学の研究者達はかつては考えられなかった方法、つまり人々を助けるためにサルモネラ菌を使う事を考えました。
サルモネラ菌が大腸や肝臓などで繁殖することから、この方法での癌治療は内臓のがんに特に有効である可能性があるとされてます。

ミネソタ大学フリーメイソンがんセンターの研究員たちはサルモネラ菌の遺伝子を改良し、毒性を弱めた上でサイトカインの一種であるインターロイキン-2を組み込みました。インターロイキン-2は番犬のような役割を果たし、がん細胞があると免疫系を活性化させることがわかっていて、実際に腎臓がんの治療に使われた事もあります。

またエール大学の研究者達によれば、サルモネラ菌は自身のタンパク質を効率的にアレンジし、宿主細胞に侵入できるようで、インターロイキン-2を組み込まれたサルモネラ菌は的確にがん細胞のところまでいける事もわかりました。それだけでなく、一部の細菌はがん細胞の中で増殖するという事実が知られています。つまり改造サルモネラ菌はがん細胞付近でインターロイキン-2を生産して免疫系を活性化させるだけでなく、がん細胞に感染して増殖するという二方向からの攻撃を加えることができるのです。

すでに動物での臨床試験は終わっていて、現在は人での試験が進行中との事。実用化されれば数十ミリリットルのサルモネラ入りの水を飲むと言う簡単な方法で治療することが可能になるようです。

「この方法はおそらく化学療法や放射線療法などのがん治療法に置きかわるものではないでしょう、しかしこの分野の研究は有望であり、私たちはこの方法ががんに対する強力な手法になる事を願っています」とこの研究の主任であるEdward Greeno博士は言います。彼によれば、この方法は化学療法や放射線治療よりも毒性が低く、安価な代替案になりうるとの事です。食中毒を引き起こす細菌に助けられるというのはちょっと不思議な気もしますね。

(櫻井博光)

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