赤ちゃんアカウミガメ大追跡-フロリダ・アトランティック大学

Snorkel, the Loggerhaed Turtle!

アカウミガメは、日本での産卵例が最も多いウミガメで、徳島県美波町、静岡県御前崎市、屋久島などで年間100回以上の産卵が確認されている。孵化後の赤ちゃんウミガメは、はるかメキシコのカリフォルニア半島沖まで回遊し、数年後大人になると産卵のため日本に戻ってくることが知られている。

アメリカのフロリダ半島も、そんなアカウミガメの産卵地のひとつで、孵化後の赤ちゃんアカウミガメは、大西洋の海流に乗って、北進した後、東転、北アフリカの沖合まで南下し、再びフロリダ東海岸に戻ってくると信じられていた。しかし、最新の研究によれば、実際の回遊経路は、単に海流に流されてぐるり一周していたわけではなかったようだ。

フロリダ・アトランティック大学のWyneken氏とMansfield氏らは、孵化したばかりの赤ちゃんアカウミガメを集め、大き目のグレープフルーツ大の300gになるまで育てた後、放流した。15gの太陽電池駆動式衛星無線発信機を背負って泳いでも大丈夫なように。発信機は、2日ごとに8時間、身体から自然にはずれてしまうまで最大172日、放流したウミガメの居場所を発信し続けた。これほど長期に渡って、赤ちゃんカメの回遊経路を追跡した例は、これが最初だとのことだ。そしてWyneken氏らは、ウミガメの位置を特定すると同時に、その位置の海流の強さ、プランクトンの量、海面温度などの海洋情報を関連付けた。

その結果、彼らは、常に海流の中央部、最も流れの速い所にいるのではなく、時にはその縁の部分で、海流の乱れにあおられ、とんでもない方に行ってしまうこともあることがわかった。ある例では、バミューダの方に流され、2ヵ月間ブラブラした後、ようやく元の海流に合流した個体もいたようだ。また、彼らは常に海水温が17℃以上の場所を好むようで、Wyneken氏らは、このように色々と道草をすることで、積極的にエサの豊富な場所を探しているのではないかとコメントしている。アカウミガメの赤ちゃんも、単に流されているだけの人生ではなかったようだ。

それにしても、大海原を相手に道草なんて、ちょっとうらやましい気もしなくもない。ちょっとだけでもその気分を味わいたいという方には、こちらのサイトがお薦めだ。ここでは、Wyneken氏らが最近放流した10匹のアカウミガメが、大海原を悠々と道草しているその軌跡を確認できる。

(神無 久:サイエンスあれこれ
Creative Commons License photo credit: ianesj
■関連リンク
Science 21 January 2011: Vol. 331 no. 6015 p. 281 DOI: 10.1126/science.331.6015.281
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