「幸せは長生きの秘訣」は本当だった~過去の研究事例を総括

hbw | happy (custom) bokeh wednesday

誰もが何となくそう信じている「幸せは長生きの秘訣」であるが、本当にそうなのだろうか?昨年の11月にアメリカ社会科学研究ネットワーク(SSRN)に掲載された論文(購読無料)では、過去に行われた多くの「幸せは長生きの秘訣」と主張する研究事例を総括し、やはりそれは本当だろうと結論づけている。

この論文では、過去に行われた研究の中から、信頼できる7つの研究事例を取上げ、「幸せは長生きの秘訣」と言ってもよい確かな証拠を紹介している。例えば、過去の24個の研究結果をメタ解析した2007年の研究では、幸せだと感じている人は、不幸せだと感じている人より14%長生きしたそうだ。また、2008年に行われた研究によれば、先進国に住む人の中で、自分が幸福だと感じている人は、寿命が7年半から10年延びたという。さらには、自殺する率も低く、不思議なことに事故の犠牲者となる率も低かったのだ。

2001年に行われた修道女を対象とした追跡調査では、幸福を感じていない修道女の寿命が平均86.6歳だったのに対し、幸福を感じている修道女の寿命は平均93.5歳だったという。修道女たちは、生活環境にばらつきがないため、それが寿命に与える影響を無視できるので、データに信頼性があるのだそうだ。1999年に行われた、最愛の伴侶に先立たれるという不幸に見舞われた人々のその後を追った研究では、妻に先立たれた夫が、その後1ヶ月以内に死亡する率は2倍に上がり、夫に先立たれた妻の場合は3倍に上がったという。

ただし、今回の研究結果は、幸福感が特定の病気の進行に与える影響、例えばがんの転移を抑制したりという効果はほとんどなかったと述べている。よく言われているようなNK細胞を活性化する笑いの効果は、確認されなかったようだ。今回の結論を受けて、「今後は、幸福感が長生きや健康につながるメカニズムを明らかにし、更には、社会科学的見地から、政治介入によって国民の幸福度を上げるのにかかるコストと、他の方法で国民の健康レベルを上げるコストとを比較する必要もある」と、本研究を科学雑誌『Science』2月4日号で紹介した経済学者のBruno Frey氏はコメントしている。

(神無 久:サイエンスあれこれ
Creative Commons License photo credit: Adam Foster | Codefor
■関連リンク
SSRN-Happy People Live Longer: Subjective Well-Being Contributes to Health and Longevity by Ed Diener, Micaela Chan
Happy People Live Longer | Science/AAAS
適度な運動が脳の記憶中枢を改善する-ピッツバーグ大学 | スゴモリ
騒音の激しい道の近くに住んでいると脳卒中で死亡するリスク上昇 | スゴモリ
賢い人ほど長生きする-ミツバチを用いた研究によってフォローされる | スゴモリ

Bookmark and Share

関連プロダクトクラウド