材料はボールペンとチャッカマン!文房具の銃を持つ男

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ボールペンが銃身、分解したチャッカマンが引き金と燃料、スティックのりのケースがチャンバーでジャガイモが弾丸のガス式拳銃である。『007黄金銃を持つ男』のイメージで組み立てていただきたい。

いつまでも弾が飛ばない。組み立てには10分とかからなかったが、どういうわけか弾が発射されない。困ってしまった。複雑な機械が動かないなら私ごときには手に負えませんと投げだせるが、これ以上ないほどシンプルなのに動かないと逃げるに逃げられない。

ガスが足りないのか? もっと入れたらいいのか?
「むしろ空気が足りないんじゃないでしょうか」
そうかな。
「空気入れましょうよ」

そう言って助手はチャンバーの蓋を開けた。仕組みは実に単純だ。チャンバー(スティックのりの外側のケースを利用)にガスを入れ、チャッカマンの着火装置で火花を飛ばすとガスが爆発、その勢いで銃身(ボールぺンである)に詰め込んだジャガイモンの切片が発射される。小学生らしき子どもが鼻歌交じりに作る動画もあった。だから焦った。失敗など想定外だ。なぜ飛ばないのだ。オレたちは小学生未満か?

「こんなもんでしょう」
空気が入っただろう頃合いでチャンバーの蓋を閉めた。では着火するか。3・2・1、ポチッとな。ブホッと音を立てて暴発した。手元まで火柱が噴き上がった。チャンバーの蓋は外れ、ボールペンは引っこ抜け、コードやらスイッチやらバラバラに吹っ飛んでしまった。
うわ、ビックリ!
「意外と危険ですね」

こんなもんで怪我しても誰も同情はしてくれない。去年、私の嫁はやせようとビリー・ザ・ブートキャンプを始めたが、わずか2日でアキレス腱を切った。片足をギプスで固め、いわば名誉除隊だ。続く松葉杖生活で二の腕がビリーのように太くなるという、多重債務者のような痛々しさに爆笑した。人間、事故ぐらい真っ当に遭わないと笑い者である。
「ひどいこと言ってますね……あ、弾は一応飛んだみたいですよ!」
ガスの入れ過ぎか? でもあれだけ蓋空けて放り出して、入れ過ぎも何もないよなあ。吹っ飛んだ部品を組み立て直し、ガスの注入を加減した。原因は空気らしいので、発射まで間をおいた。これでいかが? いい? じゃあ発射……発射……なぜだあああ!

「火花が飛んでませんよ、これ」
大人が2人がかりで3時間、できたのはいつ弾が飛ぶのかわからず、たまに飛ぶと同時に爆発して分解、どういうことだ。図画工作は幼稚園からやり直しの我々である。

実験手順

01 用意するのは、芯を抜いたボールペン・のりをはずしたスティックのり・チャッカマン・ビニールテープ・画鋲。ボールペンの一端をテープで巻き、スティックのりのケースに押し込む
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02 チャッカマンの着火スイッチを外して画鋲につなぎ、スティックのりに刺す
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03 火花が飛ぶ距離を調整
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04 ボールペンでジャガイモに押し込み、そのまま弾丸にする
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05 可燃性のガス(ライターガスやヘアスプレー)をひと吹きで準備完了だ
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(サイエンスライター 川口友 万)TBS系『飛び出せ!科学くん』でも紹介、さらに詳しい実験の様子は『

あぶない科学実験』(彩図 社・税別1,200円)

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