ボタンイボタケに抗がん作用-青森県立保健大

全国のマツを含む雑木林などに自生する、ボタンイボタケというきのこは、直径5〜10センチ、高さ5~8センチ、表も裏も橙黄色~橙褐色、縁は白色、裏は細かい乳頭状のいぼで覆われ、まるで八重咲きの花のような形のきのこである。中国では食用になっているという。

そのボタンイボタケに、高い抗がん作用のある物質「テレファンチンO」「バイアリニンA」が含まれていることを、県立保健大栄養学科の乗鞍敏夫助教と松江一教授らの研究グループが突き止め、特許を出願した。

発見されたテレファンチンOは生理活性物質で、正常な肝細胞には毒性を示さず、肝がん細胞と大腸がん細胞の生存率を下げ、増殖を抑える機能があるという。そして、このたび始めて抽出されたバイアリニンAは、体内でタンパク質を分解する酵素「カスパーゼ」の働きを低下させることが分かった。

食品に由来する物質がこの作用を持つことは非常に珍しく、カスパーゼが関係するとみられる肝疾患、虚血性疾患、パーキンソン病などの対策にも応用が期待されるという。

乗鞍助教は「食べて吸収されるかどうか、動物実験をしている。将来的には地域の企業と協力して、商品化にこぎ着けたい」と話している。

今回のニュースはたいへん意義のある、喜ばしいものだが、ボタンイボタケを摂食して効果があるかどうか、まだ分からないことには注意が必要だ。例えば、以前カワラタケには「クレスチン」という抗がん成分があるとして、煎じて飲む人も多くいたが、後にクレスチンと同時に、有毒成分も含むことが分かって、素人判断は危険だという典型的な例になってしまった。さらに、「がんに効く」と称して、きのこやそのエキスを法外な値段で販売する、悪徳業者も一部に見られる。

慎重な態度で、今後のボタンイボタケの研究に期待しよう。

(堀博美/きのこライター 「きのこる キノコLOVE111」(山と渓谷社)執筆)

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デーリー東北:主なニュース:ボタンイボタケに高抗がん作用物質(2010/12/24)

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