魚拓じゃなくて人拓をつくる、大人の日光写真あそび

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この実験は小学生の時にやった日光写真を青写真用の感光紙を使ってやろうというのだ。それも人間を全身丸ごと転写してしまう。感光紙を公園に持って行き、薄曇りの中で行ったのだが、これが意外と高性能。指先まできっちり写ったのだった。なかなか面白いオモチャを見つけた我々である。

「別におねーちゃんじゃなくてもいいんじゃねえの?」
何を言っているんだ、キミは。オジサンの体で日光写真って、そんなことして何が楽しいんだ?
「まあ、そりゃね」
最初は白けた調子のカメラマンだったが、そんなオフビートもモデルの成田さんがピンクの全身タイツに着替えるまでである。いいじゃない、もっとセクシーにいってみようか? と頼んでもいないカットを撮り出し、バカ丸出し。ほら、成田さんもバカに餌付けしないで。

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「広島SHADOWS」というサイトを見つけた。原子爆弾の強烈な閃光はまるで日光写真のように人の姿を石段に焼きつけたが、そのインパクトをアート作品にしたのだ。使ったのはジアゾ感光紙、設計図なんかが青い紙にコピーされているが、あれだ。いわゆる青写真である。幅88センチ/長さ50mのロールを広げて人が寝転がり、感光させて作品とした。

青写真が日光写真になるとは知らなかったし、青写真用の感光紙がそんなにでかいことも初めて知った。ふと裸にペンキを塗って人拓とか全身レントゲン写真とか小泉今日子が撮っていたことを思い出した。キョンキョンかあ……やれるな。日光写真で人拓だ。「広島SHADOWS」の芸術性に気後れするが、でも小泉今日子といえば全身タイツでモジモジくんなのだからしょうがない。

暗幕の下に感光紙を広げ、潜り込んでもらう。手を伸ばして、ちょい右で……はい、OK。よし、暗幕外すぞ。「あははは、ヘンだ、ヘン」なんという間抜けさだ。すごいな、全身タイツ……ちょっと待て。早い早い早い! 暗幕、暗幕!

感光紙の元の色は黄色で、日光が当たると白くなる。黄色く残ったところに定着液を吹きつけると変色し、青い影が残るのだ。甘く見ていた。ようするにコピー用紙なのだ。白くなるまで早いの早くないの、数秒のうちに黄色かった感光紙がみるみる脱色、体の下まで感光しそうな勢いだ。大慌てで暗幕をかぶせ、成田さんがエイリアンの出産のように這い出るなり、代わりに潜り込んで定着液を吹きかけた。その間にも、暗幕の隙間から入った光で黄色かった部分がみるみる白くなる。なかなか大変だ、これ。

定着液の化学臭にむせながら暗幕を取ると、おおっ!指先からつま先まで体の線がキレイに青くコピーされていた。ちゃんと曲線も出て、女性の姿だとわかる。

ほらな、女子に参加してもらって良かっただろ?
「オジサンがやりたかっただけだろ?」
それは言わないお約束。

手順

・感光紙ロールも定着液も通販サイトで買いました。
・青写真を使って簡単に日光写真50mロールで特大サイズが可能

01 暗幕の下に感光紙を広げ、光が入らないように手早く潜り込んでもらう。
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02 暗幕を取り去り、日光にさらす。光の当たった箇所は白く変色する。体の下だけが影として残るのだ。
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03 定着液を吹き付けると黄色く残った箇所が青色に変わる。
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04 あとは定着液が乾けば完成。日光写真で人拓の出来上がり。
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今回のモデル 成田ゆうこ

グラビアやTVで活躍する22歳。日光写真って何ですか? と聞かれ、オジサンたち唖然。昭和の遺物なのか、日光写真?

(サイエンスライター 川口友 万)TBS系『飛び出せ!科学くん』でも紹介、さらに詳しい実験の様子は『
あぶない科学実験』(彩図 社・税別1,200円)

■関連リンク
広島シャドウズ

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