豆腐ようの味と色の秘密「紅麹菌」の全遺伝子情報を解析

沖縄の伝統的な郷土料理の、真っ赤な豆腐、豆腐ようをご存知だろうか。

これは沖縄で島豆腐と呼ばれているものから作られ、島豆腐は普通の豆腐より堅く、炒め物などにも使われる。その島豆腐を、紅麹菌や泡盛などに長時間つけ込んで発酵させると、鮮やかな赤色になり、酒の香りがして、チーズのような濃厚な味がするようになる。古くは琉球王朝の時代から、宮廷の上流貴族の間で、王府秘伝の高貴な味覚として、特別に珍重されていたという。栄養価も高く、病後の滋養食としても重宝されてきた。今では豆腐ようは沖縄の特産品のひとつとなっている。

この豆腐ようを作るのに使われる紅麹菌は、泡盛やみそ、しょうゆなどに使われる黒麹菌や黄麹菌とは分類学的にも異なる、食用のカビの一種である。

バイオ研究のトロピカルテクノセンター(沖縄県うるま市、花城順孝社長)などは、このたび沖縄県が2008年3月に全国に先駆けて導入した先端ゲノム解析機器「次世代シーケンサー」で、この紅麹菌のゲノム(全遺伝情報)を解析した。

黒麹や黄麹とは分類学的にも大きく異なる紅麹菌は、比較の対象がなく解析は困難とされたが、今回の成功により、国内における沖縄のバイオ研究水準のレベルの高さを証明した。

紅麹菌にはコレステロール低下に効果的な「モナコリンK」という物質が含まれていることがすでに確認されている。今後はゲノム解析によって、血圧上昇抑制など他の有用物質の発見も期待できそうだという。紅麹菌には、血圧上昇抑制や血糖値上昇抑制などの機能性もあるとされ、トロピカルテクノセンターは「有用な遺伝子の働きを突き止めることで紅麹の付加価値を高め、新たな医薬品の候補物質の発見も期待できる」としている。

沖縄の長寿の秘訣のひとつに、豆腐ようの紅麹菌があるのかもしれない。

(堀博美/きのこライター 主著「きのこる キノコLOVE111」(山と渓谷社))

■関連リンク
きのこがインフルエンザに効果あり、動物実験で証明-富山大学 | スゴモリ
中国のきのこの漂白剤汚染、北京の小学生が調査 | スゴモリ
「けいおん!!」で戦争勃発!? 唯はきのこ派、澪はたけのこ派? | スゴモリ
沖縄タイムス | 紅麹菌のゲノム解析 TTCなど世界で初 商品開発に期待

Bookmark and Share

関連プロダクトクラウド