脳内マリファナで鎮痛効果-カリフォルニア大学

Rough days

別名脳内マリファナとも呼ばれるアナンダミドという化合物は、体内で生合成され、マリファナと同様の痛覚麻痺などの生理作用をもつことから、これを末期がんや手術後の鎮痛剤として使う試みがなされてきた。しかし問題は、アナンダミドもまたマリファナ同様、麻薬として脳に効いてしまう点にあった。
そこで今回、米カリフォルニア大学アーバイン校のJason R. Clapper氏らは、アナンダミドの鎮痛作用と麻薬様作用を分ける画期的な方法を、『Nature neuroscience』10月号に報告した。それは、体内でアナンダミドを分解する酵素(FAAH)を、脳以外の末梢組織でのみ阻害するという方法だ。それには、URB937と呼ばれる新しい化合物が使われた。URB937は、FAAHを阻害するのだが、脳血流関門を通過できないため、脳内には入れないのだ。これによって、脳内のアナンダミド濃度は変わらないのに対し、末梢組織でのみ分解されなくなったアナンダミドが蓄積してその濃度が上がるというしくみだ。

そして、この末梢組織でのみ濃度が上がったアナンダミドは、見事に腹痛、神経痛、炎症痛のいずれをも緩和したという。今回の結果は、より安全で副作用の少ない鎮痛剤の開発につながると期待されている。

(神無 久:サイエンスあれこれ

Creative Commons License photo credit: bayat

■関連リンク
Anandamide suppresses pain initiation through a peripheral endocannabinoid mechanism : Nature Neuroscience : Nature Publishing Group

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