日本でのがん死亡率が海外に比べて高いのはなぜか

Each war is different, each war is the same

日本は海外に比べガンによる死亡率、特に肺がんでの死亡率が高い。なぜだろうか。考えられる理由をいくつかあげてみよう。

タバコ


日本では社会における禁煙や分煙がマナーとして定着する以前はタバコが一般的に吸われていた。WHOの言うところではたばこはガンのリスクファクターになるとしている。確かにそれは要素の一つであるが、それが決定的な要素であるとは考えにくい。というのも、日本では喫煙者の数が減少しているのにも関わらず、肺がん死亡率が年々上昇しているデータがあるからだ。喫煙の有無の影響が数十年後に出てくる可能性もあり、しだいに下降傾向になる可能性はある。

放射線

放射線のラドンがガンを誘発する物質としてあげられることも多い。WHOによれば、このラドンの濃度の高い地域はウラン鉱山、その他の鉱山、洞窟、温泉などが挙げられる。日本は温泉で有名で岩盤浴なども一般的だ。海外の人に比べ、日本にいたほうが放射線に接する機会が多いから肺がんでの死亡率が多いのだろうか。

健診


2009年のCECD Health Dataによれば、日本の検診率はアメリカ、イギリス、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国などと比べて男女ともに低い。体の老化現象であるガンは目に見えた影響がでにくいことから発見が遅れる傾向にある。そのため、検診率が早期発見につながり、死亡率を下げることにつながることも考えられる。

様々なところから肺がん死亡率が高いのは何故かという問題を考えてきた。
なぜ死亡率が上がるのか、他の理由として他の死亡率が下がっていることによる相対的なケースも考えられる。現在の肺がん死亡者数は年間約7万人でり、これが日本で一番死亡する人が多い疾患となるが、他の疾患で死亡する人が少なくなってきたのではないのかということだ。

厚生労働相によれば日本の平均寿命は4年連続で伸びており、男性79.58歳、女性86.44歳である。一方56年前の1964年はどうだろうか。男性67歳、女性73歳である。

ガンは体の老化現象であると先ほど述べたが、そのため年をとれば取るほど遭遇しやすくなるのは自明である。ガン以外の疾患によって死亡していた人が、医療の進歩によって生き延びるようになったがために、ガンでの死亡率があがったとも考えられる。

再生医療などを含めた先進的な医療が進歩し、すべての疾患をも直す医療方法が出現したときに、我々は何歳まで生きるのだろうか。死というものにもう一度向き合い考える必要がありそうだ。

Creative Commons License photo credit: kevindooley

■関連リンク
厚生労働省:平成17年 人口動態統計月報年計(概数)の概況
SBS健康管理センター紙面とーく「教えて!健康~がん検診受診率50%を目指して~」
放射線のラドンは肺がんの原因となる日本の温泉は安全か?世界保健機構が新たに警告 –ノギボタニカル健康情報
OECD Health Data 2010: Statistics and Indicators
図録▽主要先進国の平均寿命の推移

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