「宇宙焼酎」のお味は? 菌類に「きぼう」を託して-鹿児島大学

芋
きのこ、カビ、酵母は菌類の仲間。その酵母が、宇宙に旅立ち、伝統産業に新しい未来を開くかもしれない。酵母は、古くから世界各地で、パン、酒、みそなどの発酵に使われ、食生活に深く結びついている。それを宇宙空間において実験しようというのだ。

このたび、一昨年春、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」に神経細胞を滞在させ、放射線による影響を研究した鹿児島大学大学院の馬嶋秀行教授(放射線学)が、県内の焼酎メーカー12社に呼びかけて、昨年9月に「鹿児島宇宙焼酎ミッション実行委員会」を発足させた。

そのミッションとは、今年4月、アメリカにのスペースシャトルで、焼酎用の酵母やこうじを「きぼう」に送り込むことだ。今年の秋から、帰還した酵母やこうじを培養し、各社で仕込みに入る予定である。

おそらく鹿児島県が、芋焼酎の産地であることと、ロケット基地が2つもあることと無縁ではないだろう。実行委事務局長を務める馬嶋教授によると、宇宙に送り込むのは、鹿児島の芋焼酎や黒糖焼酎に使われる酵母3種類と白こうじ、黒こうじ2種類の計80グラムである。NHK大河ドラマで話題になった篤姫の出身地、同県指宿市今和泉地区の土から採取された「篤姫酵母」も含まれている。

順調に行けば、ほぼ1年後には「宇宙焼酎」が味わえる予定とのこと。宇宙を旅した酵母が、いったいどんな味わいを醸し出すか、楽しみである。

(堀博美/きのこライター 「きのこる キノコLOVE111」(山と渓谷社)執筆)
Creative Commons License photo credit: twinleaves

■関連リンク
「宇宙焼酎」どんな味? 酵母・こうじ「きぼう」滞在へ / 西日本新聞

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