超高速インターネット衛星きずなを用いた小笠原村診療所と東京都立広尾病院での遠隔医療実験成功


超高速インターネット衛星きずな(WINDS)は、高速通信サービスが誰もが等しく受ける事を実現するために、最大1.2Gbps(ADSL 8Mbpsサービスだと150回線分)の超高速通信を行う事が可能な衛星だ。宇宙航空研究開発機構 (JAXA) と情報通信研究機構 (NICT) が共同で開発し、2008年2月23日にH-IIAロケットで打ち上げられた。

インターネットが普及し、光通信が普及してきてはいるが、田舎や離島などの遠隔地では普及は遅れており、また災害などのときに正常に利用できるとは限らない。きずなはこうした地域差による情報サービスの格差や災害時で活用が期待されている。

このきずなを用いた遠隔医療実験が小笠原諸島の小笠原村診療所と都立広尾病院で11月30日に行われた。両病院は約1000kmはなれていて、既存の回線は64kbpsだったが、きずなを利用する事で24Mbpsの速度でデータの伝送した。これによって、内視鏡のハイビジョン映像を画質の劣化なしにリアルタイムで東京の診療所で見ながら指示を飛ばす事が可能になり、緊急性のある処置を輸送前に行う事ができた。患者を治療する観点からも、医療サービスの向上につながるのはもちろん、運搬の機会を減らす事にもつながるという。

実際にこの実験に参加した小笠原村診療所の医師達からは、「とても1000km離れているとは思えず、専門外の処置においてリアルタイムに実技指導が仰げるのは助かる」、広尾病院の医師からは、「映像が非常に鮮明であり、放射線画像のフィルムの確認による診断や技術指導を行うことが充分に可能である」、「エコーや内視鏡の映像を、実際に小笠原で見ているものと同じ画質で見ることが出来るため、広尾病院からの処置指導により、これまで出来なかった現地での処置が出来る可能性が拡がる」という反応があった。

将来的には、民間にもこのネットワークを解放する計画し、全世界のインターネット回線の環境向上を目指しているが、現在ソフトバンクにより提言されている、すべての家庭に光り回線をという構想を持った「光の道計画」と基本的に実現しようとしている事は同じである。


画像:JAXA
■関連リンク
JAXA|超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)によるデジタル・ディバイド地域における遠隔医療実証実験の実施結果について
きずな(WINDS)|人工衛星プロジェクト|人工衛星を開発するJAXA宇宙利用ミッション本部
ソフトバンク「光の道」への提言|ソフトバンク株式会社

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