血液鑑定で年齢をピタリ

犯罪捜査における血液鑑定のすごさは、容疑者の血液型や性別の特定はもとより、血液に含まれるDNAを分析すれば、理論上1000兆人の人間から一人を特定することだってできるほどだ。それほど、強力な血液鑑定をもってしても、これまで不可能とされてきたことがある。それは、「年齢」の推定だ。

これまでにも血液から年齢を推定する方法がなかったわけではない。ミトコンドリアDNAの壊れ具合やテロメアと呼ばれる、染色体の端の部分の長さを測る方法だ。しかし、これらの方法はその精度が低いのが難点だった。今回、オランダの研究者らは、今までにない画期的は方法で、血液から年齢を推定する方法を開発したと科学専門誌『Current Biology』の11月23日号に発表した

その方法とは、血液中に含まれる免疫細胞(T細胞)が、体内に進入した病原菌などによって活性化されるたびに作り出す環状DNAの量を測定するというものだ。年をとるにつれてT細胞の新たな活性化が起こりにくくなるため、環状DNAの量も低下するというわけだ。この方法の精度は、これまでの方法よりずっと高く、±9歳の誤差で実年齢の推定が可能らしい。

さらにこの方法は、必ずしも新鮮な血液を必要とせず、採取されてから1年半たった血液でも判定可能なことから、過去の事件の再捜査にも使えそうだ。目撃者がいなくても容疑者の年齢を絞り込める今回の方法は、オランダではすでに実用化に向けての試験が始まろうとしているとのことだ。

(神無 久:サイエンスあれこれ

■関連リンク
Your Blood Holds Clues to Your Birthday – ScienceNOW
Current Biology – Estimating human age from T-cell DNA rearrangements

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