着氷を防ぐトリック

Ice cased Adelie penguins after a blizzard at Cape Denison / photograph by Frank Hurley
冬は着氷が頻繁に起こる季節だ。航空機の運行や高速道路、送電線のメンテナンス、建設作業現場など、一歩間違えると着氷が大惨事を招く例は多い。一方で、一度着氷した氷を取り除くには、膨大なエネルギーコストや解氷液による環境への影響が懸念される。今回、米ハーバード大学の研究者らは、理論と実践の両方からこの問題に取り組み、着氷を防ぐ画期的な方法を開発した。


着氷は、水滴が冷たい物質の表面に触れることで始まる。この接触時間と接触面積を極力減らし、熱の移動を最小限に留めれば、凍り始める前に水は弾き飛ばされる。これを実現するために、研究者らが辿り着いたのは、その表面をシリコンコートされた微細なハニカム構造だ。表面が平らだと、接触面積が大きくなり、水滴はすぐさま凍り始めるのに対し(写真・左)、微細ハニカム構造をもつ表面に落ちた水滴は、接触面積が小さくなるため凍らない(写真・右)。

この構造により、水滴が接触した物質の温度がマイナス25℃からマイナス30℃程度になっても、着氷を防ぐことができるという。今回の結果は、科学専門誌『ACS Nano』11月9日号に掲載された

(神無 久:サイエンスあれこれ

Creative Commons License photo credit: State Library of New South Wales collection
■関連リンク
Design of Ice-free Nanostructured Surfaces Based on Repulsion of Impacting Water Droplets – ACS Nano (ACS Publications)

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